英投資運用業界団体Investment Association(IA)は1月25日、英運用会社に対し、ESG投資のあり方を規定するルール案を固めた。3月1日までパブリックコメントを募集する。
IAは今回、投資家にとってESG投資機会へのアクセスを強化するため、3つのテーマでルール案を提示した。まず、ESG投資の詳細手法である「ESGインテグレーション」「インパクト投資」「ネガティブスクリーニング」等について、各手法の定義を決める。次に、ESG投資アプローチをとっているファンドを個人投資家および投資コンサルタントに向け明確に課するため、英国の公式「責任投資ラベル」を創設する。最後に、ファンドマネージャーのESG考慮方法やファンドのインパクトを報告するフレームワークを策定する。
ESG投資の定義については、まず「運用会社レベル」と「投資戦略・ファンド・マンデート・レベル」の2種類の概念に整理。「運用会社レベル」では、議決権行使やエンゲージメント等を実施する「Stewardship/Active Ownership」型と、投資先分析で財務だけでなくESGも考慮する「ESGインテグレーション」型の2つを定義した。「投資戦略・ファンド・マンデート・レベル」では、一定の銘柄を除外する「ネガティブスクリーニング」、一定の銘柄を選択する「ポジティブ・マネージド・インベストメント」、財務リターンだけでなく社会・環境リターンも追求する「インパクト投資」の3つに整理。さらに「ポジティブ・マネージド・インベストメント」については、テーマを選んで銘柄選択する「Thematic Investin」と、セクターの中でESGスコアが高い銘柄を選択する「Best-in-Class」の2つに分けた。「インパクト投資」については、市場水準リターンを目指すものと、市場水準以下のリターンでもとするものの双方を含むとした。
IAは、2018年初旬に運用会社が果たす社会及び環境への役割を認識した上で、「Sustainability and Responsible Investment Committee」を設立。35社以上が委員を出し、今回のルール案を作成した。
EUでもサステナブルファイナンスに関する定義やラベルの議論が進んでいるが、ブレグジットを目前に、英国でも独自に定義やラベルを行う動きが出てきた。
[2019年2月1日追記]
ESG定義に関する段落を追加した。
【参照ページ】IA LAUNCHES FIRST INDUSTRY-WIDE CONSULTATION ON SUSTAINABILITY & RESPONSIBLE INVESTMENT
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