英エネルギーデータ大手ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)は1月28日、企業による2018年の再生可能エネルギー電力購入契約(PPA)統計を発表した。PPA締結された再生可能エネルギー設備容量は13.4GWに達し、2017年の6.1GWから2倍以上に増えた。地域別では、米州9.1GW、欧州・中東・アフリカ2.3GW、アジア太平洋2.0GWで、米州では3倍近い伸び率となった。
米国での再生可能エネルギー契約量トップは、フェイスブックで2.6GW。2位のAT&Tを3倍近く引き離した。エクソンモービルは、原油・ガス大手での再生可能エネルギーPPA締結第1号となり、テキサス州で太陽光発電と風力発電を合計575MWを購入した。また米国では、中堅企業が再生可能エネルギーPPAを締結するケースが初めて登場し、34社が合同で大規模発電所の購入契約を結んだ。メガソーラーや大規模風力発電所では、電力需要の小さい中小企業がPPAを結ぶ難易度が高いが、複数社で合同契約をするという活路が見えてきた。その中でも、比較的電力需要が大きくPPAの専門知識が豊富な1社が、合同契約で主導的役割を果たしていた。
欧州・中東・アフリカでは、2017年1.1GWから2.3GWに2倍以上に増加し、とりわけ北欧が多い。購入者では、ノルスク・ハイドロとアルコアのアルミニウム・メーカーが、2018年の欧州でのPPAの大半を契約した。また、フェイスブック、アマゾン、グーグル等の米IT大手も欧州でのPPA締結を加速させている。PPA締結が実施される国も広がりを見せ、ポーランドは史上初、デンマークとフィンランドでも2件目が誕生した。
アジア太平洋では、2017年の1.3GWから2018年は2.0GWに約6割増加。内訳は、インドが1.3GW、オーストラリアが0.7GWと2カ国でほぼ全てを占める。中国でも9省でオフサイトPPAメカニズムが可能となり、今後伸びていくと思われる。日本については、PPAメカニズムが制度化されていないが、証書等が活用されている状況。
BNEFは、再生可能エネルギー100%での事業運営にコミットする「RE100」加盟企業が、2030年目標を達成するためには追加で190TWhの再生可能エネルギーが必要となると算出。設備容量に換算すると102GWとなる。
(出所)BNEF
【参照ページ】Corporate Clean Energy Buying Surged to New Record in 2018
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