証券監督者国際機構(IOSCO)は1月18日、上場企業等の有価証券発行体に対し、財務上重要性の高いESG情報の開示を強化するよう要請する声明を発表した。投資家の正しい意思決定を促すことが目的。
今回の声明は、各国の法制や既存のIOSCO方針を覆すものではないとしつつ、IOSCO原則16で発行体は投資家の意思決定に重要な財務パフォーマンス、リスク等の情報を、完全で、正確に、適時開示することを定めていると言及。昨今、投資家と発行体の双方でESG情報開示の機運が高まり、任意遵守の開示ガイドラインも数多く生まれている一方、各国の金融規制当局としても、投資家保護のため、ESG情報の透明性を高めるべきと指摘した。
また各国毎に法規制は異なるものの、発行体に対し、経営戦略やリスクマネジメントの観点から、リスクと機会を分析し、事業におけるESG課題の重要性を考慮することを奨励。重要だと判断した場合には、投資家に対して開示することを求めた。また、ESG課題のガバナンスや監督体制についても開示することを求めた。さらに、ESG情報開示は、法定開示の面からも開示が義務化されているという側面も強調した。
IOSCOは、サステナビリティ情報開示ガイドライン機関との連携を進めると共に、各国のESG情報開示法規制の状況についてもモニタリングを進めていく。
【参照ページ】STATEMENT ON DISCLOSURE OF ESG MATTERS BY ISSUERS
【参照ページ】IOSCOによる最終報告書「企業のESG情報の開示に関するIOSCO声明」の公表について
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