法務省の法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会がまとめた「会社法制の見直しに関する要綱案」の内容が明らかとなった。日本経済新聞が12月28日に報じた。有価証券報告書の提出義務がある大手上場企業や大手非上場企業には、社外取締役設置を義務化することや株主提案権を制限すること等が柱。2019年に法制化し、2020年の施行を目指すという。
今回の改正案において、新たに社外取締役設置を義務化される対象は、「有価証券報告書の提出義務がある」「資本金5億円以上または負債総額200億円以上」「監査役会設置会社で株式譲渡制限がない」の全てを満たす企業。現在の会社法では、社外取締役設置の努力義務が期待されているが、新法が成立すれば、初めて正式に社外取締役設置が義務化される。また金融庁と東京証券取引所が策定したスチュワードシップ・コードでも社外取締役の設置が規定されているが、同コードは「Comply or Explain」原則のため、義務ではなかった。現在、東京証券取引所の上場企業は9割以上が社外取締役を置いているが、新法により非上場大手企業の数百社が新たに設置義務を負う見込み。
また、株主提案権については、現行法では株主は何件でも株主総会での株主提案を発議できるが、上限を10件に設定する。誹謗中傷、侮辱行為、総会運営を妨げる提案については却下できる規定も盛り込む。昨今、アクティブ・オーナーシップが推奨される中、株主提案が増えつつあるが、一方で株主総会の効率運営も重要となっており、米国でも株主提案の制限に関する審議が進んでいる。
役員報酬について、取締役での決定内容を株主に開示し、株主のチェックが働きやすくする「SAY ON PAY」規定も盛り込む考え。同規定の対象は、社外取締役設置義務化会社と監査等委員会設置会社。
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