中国電力とJFEスチールは12月27日、共同で計画してきた千葉県千葉市にあるJFEスチール東日本製鉄所千葉地区東工場内での石炭火力発電所「蘇我火力発電所(仮称)」新設プロジェクトを中止すると発表した。「十分な事業性が見込めない」と判断した。今後は、燃料を天然ガスに切り替え、天然ガス火力発電所開発の事業実現性を検討するとした。
計画されていたのは、石炭を燃料とした超々臨界圧発電方式(USC)で、設備容量は107万kW。2024年に運転開始を予定し、特別目的会社(SPC)のちばパワーを事業主体として設立していた。
同発電所新設プロジェクトに対しては、2017年3月10日に環境相が気候変動の観点から懸念を表明。3月15日には環境アセスメント法に基づく経済産業相意見の中でも、炭素回収・貯蔵(CCS)の導入や供給先の電力小売会社に非化石証書の購入検討を促すなどしていた。
【参考】【日本】環境大臣、千葉県蘇我での石炭火力発電所建設計画に対し懸念表明。市原でも建設中止(2017年3月24日)
蘇我火力発電所に対しては、早くから環境NGOが反対活動を展開。気候ネットワークやFriends of the Earth(FoE)ジャパンが現地の住民団体とともに問題提起を繰り返してきた。今回の中止発表を受け、蘇我石炭火力発電所計画を考える会、石炭火力を考える東京湾の会、気候ネットワークは、歓迎した。
日本国内の石炭火力発電所建設プロジェクトは、まだあと34基ある。
【参照ページ】石炭火力発電所共同開発の検討中止と天然ガス火力発電所共同開発の事業実現性検討着手について
【参照ページ】【プレスリリース】JFEスチール&中国電力、蘇我石炭火力発電所計画を中止に ~石炭火力計画の中止を歓迎する。残る計画は34基に~
【参照ページ】蘇我火力発電所建設計画の経緯
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