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【アメリカ】MIT研究チーム、物体を1000分の1に縮小できる「インプロージョン・ファブリケーション」技術発表

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)は12月13日、同大学のエドワード・ボイデン准教授(神経科学)率いる研究チームが、レーザー技術を用いて物体を元の大きさの1000分の1に縮小できる技術「インプロージョン・ファブリケーション」を開発したと発表した。単純構造の物体であれば素材を問わずどんな形状にでも用いることができ、医学、工学、生物学等から大きな関心を集めている。

 現在、ナノサイズの物体を作り出すためには課題が多い。表面エッチング技術では二次元のナノ加工が可能だが、三次元には適していない。また、二次元加工を繰り返し行う積層造形技術も登場しているが、時間がかかる上に正確性に問題もある。3Dプリンティングによるナノ造形技術もあるが、既存の技術ではポリマーやプラスティック等特定の素材のみが対象で、さらにピラミッド状等の重力に対し自力で直立できる形状(self-supporting structure)しか扱うことができない。

 この課題に対し、ボイデン准教授のチームは全く違う角度からアプローチした。同チームはもともと、生体組織の画像拡大技術「膨張顕微鏡法(expansion microscopy)」の研究を行っており、数年前に脳組織を一般的な吸着ジェルに埋め込み、そのジェルを膨張させて顕微鏡で形状を確認する手法を開発し発表。現在、医学や薬学研究者の間で普及してきている。

 今回の「インプロージョン・ファブリケーション」は、「膨張顕微鏡法」のプロセスを逆転させるという発想から生まれた。縮小性のある吸着ジェルに対しレーザー加工で「足場」を作り出し、フルオレセイン分子の溶液に浸した後、フルオレセイン分子の特定部を二光子顕微鏡法を用いて活性化させることで、いかなる素材のものも吸着できる。その後、狙った分子配列が完成した後に、「足場」を酸化剤で縮小させれば、全体を三次元それぞれの方向に10分の1(合計1000分の1)に縮小できる。

 現段階で同チームは、1mm立方体での実験に成功している。今後は、より精度の高い光学レンズの開発や、将来的にはナノ電子やロボット技術にも応用できると語った。

【参照ページ】Team invents method to shrink objects to the nanoscale

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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