英国民保健サービス(NHS)は、強制労働への関与の疑いのあるマレーシアのゴム手袋メーカー2社Top GloveとWRPから医療用ゴム手袋を調達している疑いが判明した。英紙ガーディアンが12月9日、報じた。本件との直接の関係は定かではないが、Robeco等一部の投資家は、今回の報道の後にTop Gloveの株式を売却した。NHSは、調達した手袋を、英国のグループ病院や医療施設に供給していた。
ガーディアンの報道によると、Top Gloveのネパール人従業員8人、バングラデシュ人従業員8人から事情を聞いたところ、週7日間、1日12時間以上勤務させられており、月の休日は1日しかなかったという。工場で手足を負傷する労災も多数報告されており、移民労働者のパスポートも会社が強制的に保管し、返還請求にも応じていない模様。
WRPでも同様の労働慣行が見られ、超過残業の横行、パスポートの会社管理強制、3ヶ月以上の給与支払遅延、日曜日以外の外出禁止等が従業員ヒアリングから浮かび上がってきた。
これに対し、Top Gloveは、超過残業については改善が必要だと認めたものの、労働権侵害や強制労働の実態については否定。WRPも否定した。しかしTop Gloveは、ガーディアンを提訴するかについては、「不必要なことに資源を使いたくない」と訴訟はしないと表明。必要な内部調査については実施すると述べた。
Top Globeは、FTSE RussellのマレーシアでのESGインデックス「FTSE4Good Bursa Malaysia Index」に採用されている。
【参考ページ】NHS rubber gloves made in Malaysian factories linked with forced labour
【参考ページ】Top Glove will not take any legal action against UK's The Guardian
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