たばこ世界大手英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は12月10日、たばこの健康リスクを削減するために取り組んでいる進捗報告書を発表した。健康被害が比較的少ない電子たばこ、加熱式たばこ、噛みたばこ、ニコチン製品等の「潜在的に害を減らす製品(PRRP)」を世界28カ国に投入していると伝えた。BATは電子たばこで「Vype」ブランド、加熱式たばこで「glo」等のブランドを投入している。
同報告書では、BATのニカンドロ・デュランテCEOが、PRRPの投入拡大、PRRPの健康リスクの研究深化、PRRPの健全な成長についてコミットメントを表明。また、サウル・シフマン臨床・健康心理学教授の見解として、PRRPは従来のたばこよりも健康リスクが小さく、従来型たばこからのシフトは望ましいと伝えた。同教授は同時に、PRRPは無害ではないため、たばこ業界はさらなる健康リスク低減を追求すべきとも述べた。BATのデイビッド・オライリー科学・R&D担当ディレクターは、たばこの健康被害を低減することは非常に重要としつつも、たばこの販売そのものを止めることについては「喫煙者は、競合製品に移行したり、ブラックマーケットに手を出すという悪い事態に陥ったりする」と否定的な見方を示した。
電子たばこ等については、従来たばこより害が少ないという認識が広がりつつも、一定の国ではたばこと同等の害があると捉え、電子たばこ等の規制強化を検討するところも出てきている。今回の報告書は、電子たばこ等がよりよい選択肢であることを強調し、電子たばこを狙った規制強化を防ぐという狙いがあるとみえる。
【参照ページ】British American Tobacco launches 2018 Harm Reduction Focus Report
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