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【日本】政府、ファーウェイとZTE製通信機器を排除の方針。省庁だけでなくインフラ企業でも

 日本政府は12月10日、金融、航空、鉄道、電力等重要インフラを担う14業種を対象に、企業や団体が情報通信機器を調達する際、情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう促す方針を固めた。政府は同日、各省庁に対して情報通信機器の調達に際し、価格で判断する一般競争入札ではなく、総合評価する契約方式を採用する「IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」を決定している。実質的に、中国大手のファーウェイ(華為技術)と中興通訊(ZTE)の通信機器が、排除される見通し。

 今回の件については、カナダ司法省が12月5日、ファーウェイ創業者の娘である孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕したこととの関連を上げる声もあるが、ファーウェイやZTEについては、今年中頃から欧米諸国政府で急速にファーウェイ製品に対する安全保障上の懸念が大きくなっていた。

【参考】【イギリス】国家サイバーセキュリティ・センター、ファーウェイ製品の新たなリスク警告(2018年7月27日)

 決定打となったのは、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの11月23日の報道で、米国政府が同盟国政府に対し、安全保障上の観点からファーウェイ製品の使用を避けるよう強く要請したという件。同紙の報道では、米国政府、ドイツ、イタリア、日本等の親しい同盟国の政府及び通信大手経営陣に対し、ファーウェイ製品の使用停止とともに、代替製品開発には資金援助をする考えも見せたという。

 通信インフラ設備では、世界ではファーウェイ、エリクソン、ノキアの3社がしのぎを削っている。特にファーウェイはアジア太平洋地域で圧倒的に強く、欧州でも僅差で首位。一方、北米ではノキアとエリクソンが強い。米国政府は特に、米軍施設の安全保障のため、アジアや欧州の同盟国にもファーウェイ排除を要請したとみられている。

 アジア太平洋地域では、オーストラリア政府が8月、ファーウェイとZTEに対し次世代高速通信「5G」への参入を禁止する措置を発表。ニュージーランド政府も11月、両社製の5G設備を用いる計画を却下した。

 日本政府は今回、内閣の「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」の下に設置されたサイバーセキュリティ対策推進会議(CISO等連絡会議)で、各省庁での申し合わせを決定。2019年4月から適用する。また、企業や団体に対しては、それより早く2019年1月からファーウェイとZTEの危機を排除するよう求める見込み。対象となる14業種は、情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電力、ガス、行政、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油。但し、企業の調達に政府方針の強制はできないため、専門調査会にて注意喚起する形をとる。すでにNTTドコモ、ソフトバンク、auの3社は同日、5Gの基地局等の通信設備でファーウェイとZTEの製品を除外する方針を固めた模様。ソフトバンクは既存4Gでも除外し、他社製に置き換えるという。

【参照ページ】IT調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ
【機関サイト】サイバーセキュリティ対策推進会議(CISO等連絡会議)
【参照ページ】Washington Asks Allies to Drop Huawei

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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