英ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー氏は12月10日、国連気候変動枠組条約カトヴィツェ会議(COP24)の場で、アパレル業界の気候変動憲章「Fashion Industry Charter for Climate Action(ファッション業界気候行動憲章)」を発表した。アパレル世界大手約40社や業界団体が署名した。
ステラ・マッカートニー氏は、元ビートルズのポール・マッカートニーの次女。数々のブランドでファッションデザイナーとして活躍した後、2013年に功績が評価され大英帝国勲章(OBE)を受章している。今回発表の憲章は、彼女の発案で、11月28日から開催されたファッション業界の国際祭典「Voice」の中で初披露され、COP24の中で正式発足する考えを示していた。Voiceで発表されて以来、同憲章はアパレル世界大手の経営陣から大きな注目を集め、すでに40社以上の署名を集めた。
同憲章は、個別のイニシアチブや団体を発足する予定はないが、署名機関に対し自主的な16のコミットメントを課している。コミットメントには、バリューチェーン全体での二酸化炭素排出量削減、原材料、輸送、政策提言等幅広い内容が含まれている。具体的には、パリ協定の2℃目標達成支持、2015年以降の実績値比で2030年までにスコープ3を含めた二酸化炭素排出量を30%削減、科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)手法を活用した将来計画の設定、バリューチェーン全体での再生可能エネルギー利用推進、2025年までに二次サプライヤーまで含め石炭火力ボイラー、石炭ヒーター、石炭火力発電の設置導入禁止、低炭素輸送の推進、サーキュラーエコノミーの推進、金融機関や行政との連携等が盛り込まれた。それ以外にも、「行動様式」として19の「動き方」も規定した。
今回の憲章に署名した企業は、アディダス、プーマ、リーバイ・ストラウス、GAP、H&M、インディテックス、バーバリー、ケリング・グループ、ヒューゴ・ボス、フィリップス・バン・ヒューゼン(PVH)、ターゲット、エスプリ、オットーグループ、マースク等40社以上。支持を表明した業界団体は、世界自然保護基金(WWF)、Sustainable Apparel Coalition(SAC)、国際金融公社(IFC)、BSR、中国紡織工業連合会(CNTAC)、中国紡織情報センター(CTIC)、グローバル・ファッション・アジェンダ(GFA)、Global Organic Textile Standard(GOTS)、Outdoor Industry Association(OIA)、ZDHC財団等。
日本企業や日本の業界団体からの署名や支持はまだない。
【参照ページ】Milestone Fashion Industry Charter for Climate Action launched
【参照ページ】About the Fashion Industry Charter for Climate Action
【憲章】Fashion Industry Charter for Climate Action
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