国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は11月30日、東京五輪会場建設での熱帯材合板の使用が絶滅の危機にあるボルネオオランウータンの生息地を含むインドネシアの貴重な熱帯林を破壊しているとして、東京都と日本スポーツ振興センター(JSC)に苦情を通報した。東京では11月30日から国際オリンピック委員会(IOC)理事会が開催され、東京2020オリンピック・パラリンピックの準備進捗が話し合われており、それに合わせて発表された形。
今回の苦情申し立ては、東京五輪の「持続可能性に配慮した木材の調達基準」と「持続可能性に配慮した調達コード」にサプライヤー企業や契約企業が違反したことを通報するもの。RAN本部があるサンフランシスコの日本国総領事館へも同時に苦情が通知された。住友林業などサプライヤー企業、建設会社、設計会社など契約企業数社が違反の可能性が高いと訴えている。
RANはすでに、WALHI(インドネシア環境フォーラム)北マルク、Tukインドネシアとともに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、JSC、東京都に、合計4件の苦情を通報している。特にコリンド製木材を使用することは、「『持続可能性に配慮したオリンピックの実現』という約束に違反する」と批判を展開している。
オリンピック開催でのコード設定及び違反行為通報については、2012年のロンドン五輪で大きな成果を挙げたことがオリンピックの歴史の中でも高く評価されている。東京五輪での苦情処理メカニズムがどのように期待するかにも、大きな注目が集まっている。
【参照ページ】プレスリリース:RANとボルネオオランウータン、東京都とJSCに通報〜新国立など五輪会場の木材、オランウータン生息地に深刻な危害〜(2018/11/30)
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