消費財世界大手英蘭ユニリーバのポール・ポールマンCEOが2018年末に退任することがわかった。11月29日、各紙が一斉に報じた。2019年1月1日から、美容品・パーソナルケア部門トップのアラン・ジョープ氏がCEOとなる。ポールマンCEOは、2009年1月1日からCEOを務め、同社の事業拡大とともに、サステナビリティの観点でも世界のトップクラスの企業に押し上げた。
ポールマンCEOの退任背景には、同社の体制を英ロンドンと蘭ロッテルダムの二本社制から、ロッテルダムの一本社制に切り替えるため、株主総会にかけようとしていたところ、英国の株主から激しい反発にあい、本社移転を結構すれば株式を売却すると圧力をかけられていたことがあると見られている。ユニリーバは創業の経緯から、法人が英国法人とオランダ法人に分かれて上場している「二元上場企業」体制となっており、両社の経営陣を同じ者が務めることで一体的な企業経営を実現している。ポールマンCEOは、法人の一本化も目指したとみられるが、英国法人の株主から理解が得られなかった。ブレグジットという社会的醸成も、ユニリーバが英国本社を手放すことに様々な憶測や否定的意見が出ていた。
他の二元上場企業では、ロイヤル・ダッチ・シェルも、英国法人とオランダ法人の二元体制だったが、2005年に共通の親会社を設立し、法人の一元化に成功している。
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