フランスのマクロン大統領は11月27日、2025年までに電力全体にしめる原子力発電比率を2025年までに現在の70%超から50%にまで引き下げるとしていた大統領選挙時の目標を修正し、2035年までに10年間目標達成を延期する考えを表明した。フランス政府は2015年に、2035年までに原子力発電14基を停止し、原子力発電割合を50%に引き下げるエネルギー計画(PPE)を立てていたが、その路線に戻す。
マクロン大統領は、今回の発表に際し、「私は脱原発政策で大統領に選ばれたのではなく、50%に比率を削減することで選ばれた」と表明し、大統領選挙の公約違反ではないとの考えを強調した。延期の理由については、再生可能エネルギーへの移行に依然時間を要するとし、バッテリー技術が向上すれば、時期が早まるとの見方も示した。但し、フェッセンアイム原子力発電所は2020年に、その他原子力発電所5基も2030年までに停止することも主張した。
フランス政府の最近の政策検討では、それでも原子力発電所4基の新設計画は撤回を死守した模様。フランスの再生可能エネルギー業界は、2028年までにげ原発6基、追加で2035年までに6基の停止を求めていたが、これは叶わない見込み。
一方で、石炭火力発電に関しては、ブリュノ・ル・メール経済・財務相は、11月26日から28日にかけパリで開催された国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)ラウンドテーブルの中で、フランスの銀行、保険会社、運用会社に対し、数週間以内に石炭等の汚染関連産業へのファイナンスを停止するコミットメントを制定するよう求める考えを表明。コミットメントの遵守状況もチェックし、結果も公表する意気込みを見せた。遵守されない場合は、法定義務化する考えも示した。
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