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【日本】法務省、外国人技能実習生の失踪者調査で虚偽報告。最低賃金法違反や現代奴隷の可能性も

 法務省は11月21日、2017年に実施した失踪した外国人技能実習生に対する調査結果に誤りがあったことを認め、山下貴司法相が衆議院で陳謝した。同調査では、法務省は失踪した外国人技能実習生が「より高い賃金を求めて」失踪したと説明し、実習生側の一方的な不満が原因との見方を示していたが、受け入れた企業側の違反行為があったことも見えてきた。

 法務省が、失踪後に摘発された2,879人から聴取し、2017年に発表した報告書「失踪技能実習生の現状」では、約87%が「より高い賃金を求めて」失踪したと記載。しかし、法務省は11月16日、「より高い賃金を求めて」と報告された数は、実際には、「低賃金」「低賃金(契約賃金以下)」「低賃金(最低賃金以下)」の3つの回答の数の合計であり、その数も、正しくは1,929人(67.2%)だったと修正した。外国人技能実習生問題弁護士連絡会は11月20日、事実を歪曲していたと強く抗議し、人権侵害の温床となっている技能実習制度の廃止を訴えた。

 同調査の基となった「実習実施者等から失踪した技能実習生に係る聴取票」では、「より高い賃金を求めて」という選択肢はなく、「失踪動機」を回答する選択肢として、「低賃金」「低賃金(契約賃金以下)」「低賃金(最低賃金以下)」「労働時間が長い」「暴力を受けた」「帰国を強制された」「保証金・渡航費用の回収」「実習実施後も稼働したい」「指導が厳しい」「その他」の10項目が設けられていた。

 法務省によると、今回の統計の誤りは、複数に丸をつけていた場合、それぞれを一人とカウントするような集計手法になっており、例えば「低賃金」「低賃金(契約賃金以下)」「低賃金(最低賃金以下)」の3つに丸をつけた場合、3人とカウントしてしまっていた。それにより低賃金関連の回答が実態よりも多くなってしまった。さらに、エクセル上での手動操作誤りにより、「労働時間が長い」と「指導が厳しい」も、「低賃金」に含めてしまったという。

 立憲民主党等の野党は、聴取票の回答者から無作為で184人を抽出し、月収と一週間の労働時間が書かれていた176人の時給を計算したところ、最低賃金が全国で一番低い鹿児島県の761円より高かった人は33人しかいなかったと模様。ここからも最低賃金違反が横行している様子が伺える。

 外国人技能実習生問題弁護士連絡会は、聴取票の回答者のうち2,552人が、送出し機関に高額な手数料や保証金を借金をして支払っていることもわかったとしている。国際的に、就職斡旋会社に労働者側が資金を支払う行為は「現代奴隷」とみなされてきており、これにも抵触している可能性がある。但し、就職斡旋会社は、日本語教育を行っているケースもあり、語学教育費用なのか就職斡旋費用なのかが曖昧となりがちなところに問題が潜在している。

【参照ページ】実習実施者等から失踪した技能実習生」に係る調査結果に対する声明 <2018年11月20日>

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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