インデックス開発世界大手米MSCIは11月21日、アジア太平洋地域の10社のMSCIのESG評価状況をサンプルとして開示したレポート「10 Asia Pacific Companies to Watch」を発表した。10社の中にはここ数日報道が相次ぐ日産自動車とスルガ銀行も含まれている。
今回のレポートに含まれている企業は、サンプルとして選ばれた10社であり、評価が高い企業と問題を孕む企業の双方が含まれている。開示された10社は(アルファベットはESG格付)、
- スワイヤー・パシフィック(香港)AAA
- ミルバック・グループ(オーストラリア)AAA
- カシコン銀行(タイ)AA
- Origin Energy(オーストラリア)AA
- TSMC(台湾)AA
- 現代自動車(韓国)B
- JD.Com(京東商城)(中国)CCC
- 日産自動車(日本)CCC
- ZTE(中国)CCC
- スルガ銀行(日本)CCC
日産自動車、カルロス・ゴーン会長逮捕の報道が出るより早くから、一貫してESG格付を下げていたことがわかった。2015年8月時点でBBBだった評価は、1年後にはBBに、2017年ではBに転落。2018年9月10日には、コーポレートガバナンス上の問題が指摘され、最低位の「CCC」にまで下がった。そのため今回のゴーン会長報道時点ではすでに最低位となっており、これ以上下がることはない。日産自動車の項目別の評価では、電気自動車に積極的な点では評価が高いが、二酸化炭素排出量、安全衛生、労働マネジメント、コーポレートガバナンスはいずれも非常に評価が低い。2017年9月に発覚した無資格担当者による検査や、2018年7月に発覚した排ガスデータ不正等の影響も大きい。
一方、スルガ銀行は、2014年の時点から一貫して下から2番目のBとなっており、2018年5月に不正融資が発覚したことで、最低位のCCCとなった。項目別では、いずれの項目でも評価が非常に低い。
米金融情報大手ブルームバーグも11月22日、米国の60のESG投資ファンドやETFのうち、日産自動車株式を保有していたのはわずか5つだけだっというモーニングスターの調査結果を報道。ESG評価機関大手蘭Sustainalyticsも、日産自動車のガバナンススコアを自動車業界41社の中で最も低いスコアをつけていたという。
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