日本のNGOらが構成するプロジェクト「Fair Finance Guide Japan」は11月15日、日本の主要な年金基金、保険グループ、銀行グループの投資ポートフォリオのカーボンフットプリントを試算した結果をランキング形式で発表した。
近年、投資運用による環境への影響や、投資ポートフォリオの気候変動リスクへのエクスポージャーを把握するための第一歩として、投資ポートフォリオの炭素フットプリントを測定し開示する機関投資家が世界中で増加している。この動きが生まれた背景には、2015年パリで開催された気候変動枠組条約パリ会議(COP21)がもたらした気候変動に対する関心の高まりや、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)と国連責任投資原則(PRI)が支援する投資ポートフォリオの炭素フットプリントの開示を求める「モントリオール・カーボン・プレッジ」、そして機関投資家に対し炭素フットプリントの開示を義務化したフランス「エネルギー転換法(Energy Transition for Green Growth Act)」などがある。
今回、Fair Finance Guide Japanは、日本の機関投資家や銀行に対し、カーボンフットプリントの算出及び開示を促すため、ブルームバーグやトムソン・ロイターEikon(アイコン)から得られるデータを用い、保有上場株式からのカーボンフットプリントを試算した。結果、総フットプリントでも対資産額でのフットプリントでも、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が首位となった。しかし、取得できているデータに大きな制約もあり、ランキングそのものより、算出の「試行」として見たほうがよいかもしれない。
今回発表された報告書には、「投資ポートフォリオの炭素フットプリント開示に関する海外の先進的な制度や開示事例」として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインをはじめ、海外で活用され始めているでのカーボンフットプリントの算出方法も具体的に紹介。対象アセットクラスも、上場株式だけでなく、非上場株式、国債、社債、コーポレートローン、プロジェクトファイナンスのカーボンフットプリント算出方法も記載している。海外同行や事例に関しては、Sustainable Japanを運営するニューラルが調査を受託し、執筆を担当した。
【参照ページ】金融機関の株式投資における炭素フットプリント比較調査結果を発表、割当GHG排出量上位はGPIF、三菱UFJ、みずほ
【レポート】金融機関による気候変動インパクトの「見える化」
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