経済産業省は10月30日、丸紅と関電エネルギーソリューションが建設計画を進める「秋田港火力発電所」に対し、二酸化炭素排出量削減を求める経済産業大臣勧告を出した。今回の勧告は、電気事業法に基づく措置。石炭火力発電建設に対しては、環境大臣から意見が出ることは多いが、今回は経済産業大臣も勧告を実施した。
同発電所は、国際的に懸念広がる石炭火力発電。同発電所に対しては、環境影響評価法及び電気事業法に基づき、9月28日に環境大臣が意見を経済産業大臣に提出。「石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚し、2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係る二酸化炭素排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討すること」「とりわけ、 本事業者については、現在高効率のガス火力等を有している本事業者のグループ会社等との共同実施により、2030年度までに同目標の達成を目指すとしているものの、引き続きその達成に向けた努力が必要不可欠であること」と伝えていた。
今回の経済産業大臣勧告では、二酸化炭素排出量削減として、「送電端熱効率の適切な維持管理」「2030年までに炭素回収・貯留(CCS)の導入」等を要請。省エネ法に基づく2030年度ベンチマーク指標が達成できないと判断される場合は「本事業の見直しを検討すること」と言明した。
さらに、水銀やPM2.5による大気汚染、排水により海洋汚染、石炭灰の有効利用法の確立も要請した。
現段階は、本格的な環境アセスメント実施前の「環境影響評価準備書」に対する意見書。丸紅と関電エネルギーソリューションは、今後実施する環境アセスメントの中で、経済産業大臣勧告を考慮しなければならない。
【参照ページ】丸紅株式会社及び株式会社関電エネルギーソリューションに対し、「秋田港火力発電所(仮称)建設計画に係る環境影響評価準備書」に対する勧告を行いました
【参照ページ】秋田港火力発電所(仮称)建設計画に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら