世界自然保護基金(WWF)は10月30日、自然環境の最新動向をまとめたレポート「Living Planet Report(生きている地球レポート)2018」を発表した。同レポートは2年毎に発表されており今年が10回目。世界の生物多様性は過去40年間で60%減少。一方、人類の消費による地球への環境負荷は過去50年間で190%増加した。生態系サービスの経済的価値は、年間125兆米ドル(約1京4,000億円)と推定した。
同レポートは、生物多様性を図る尺度として「生きている地球指数(LPI)」を設定。陸、淡水、海等に生息する脊椎動物の個体群サイズの変動率を計算し、生物多様性の減少度合いを推定している。今回の報告書では特に、調査対象となった代表的な哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類4,000種以上、合計1万6,000以上の個体群のサイズが、1970年から2014年の間に平均60%減少したことがわかった。
同レポートは、生物多様性が減少している背景を、野生生物の生息地の消失と劣化と表明。また、自然資源の過剰な利用、気候変動、外来生物、汚染等の影響も指摘した。具体例として、世界のマングローブ林は過去50年間で30%から50%消失。浅海域のサンゴ礁も、過去30年間で半分が消失した模様。
一方、生態系が果たす経済的価値を算出すると、年間125兆米ドル(約1京4,000億円)となった。これは、生態系が破壊されるほど、経済的損失が大きくなる、もしくは社会を維持するためには損失分以上の投資が必要となることを示している。
【参照ページ】Nothing natural about nature’s steep decline: WWF report reveals staggering extent of human impact on planet
【参照ページ】世界の生物多様性は60%を喪失 WWF『生きている地球レポート2018』を発表
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