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【EU】加盟国の2017年CO2排出量は前年比0.6%増。2030年40%削減目標には一層の取組必要と警鐘

 欧州環境機関(EEA)は10月26日、EU加盟国の2017年の二酸化炭素排出量が前年比0.6%増と微増したと発表した。1990年比では21.9%減の水準であり、EEAは削減水準を維持できたと強調。依然としてEUの2020年目標の達成路線にあるとした。

 EUの二酸化炭素排出量は、2004年から2014年にかけ継続的に減少し、その後横ばい傾向にある。EU経済は2017年も成長したものの、工場等の設備からの排出量は前年比0.2%増に留まった。石炭を燃料とした電力と熱エネルギーの削減が大きく貢献した。一方、欧州域内の航空機からの排出量は4.5%増加した。今回の微増についてEEAは、航空機等の輸送機関での石油消費量の増加と説明した。

 EUでは、排出量の大きいエネルギーや製造業には二酸化炭素排出量取引制度(EU-ETS)によって管理されているが、それ以外の業種についても加盟国は「努力分担決定(Effort Sharing Decision:ESD)」によって、二酸化炭素排出量の削減目標を設定することとなっている。ESDでは、陸上輸送の分野で3年連続で削減を達成した。しかし、ESD下での対前年比削減を達成した国は、2016年の23ヶ国から2017年は18カ国に減った。

 EEAは、最新の予測では、このままのペースでは2030年までに1990年比30%削減しか実現できないとし、検討されている追加措置を講じても32%に留まると警鐘。40%削減という目標に向けてさらなる対策が必要となると結論づけた。

【参照ページ】Increase in EU greenhouse gas emissions hampers progress towards 2030 targets

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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