インドネシア・バリで10月29日開催された第5回「Our Ocean Conference」で、海洋プラスチック問題に対応するためのイニシアチブ「New Plastics Economy Global Commitment」が正式に発足。約290の企業、政府、大学、NGOが署名した。同イニシアチブは、エレン・マッカーサー財団が主導し、国連環境計画(UNEP)も協力する形で10月26日に発足が発表されていた。
同イニシアチブは、3つの目標を掲げている。
- 不必要で問題のあるプラスチック包装・容器を撲滅し、使い捨てから再利用モデルへシフト
- 2025年までに100%のプラスチック包装・容器を安全で容易に再利用、リサイクル、堆肥化可能なものに転換
- 再利用・リサイクルされるプラスチック量を劇的に増加させ、プラスチックのサーキュラーエコノミーを構築
今回署名した企業は、コカ・コーラ・カンパニー、ペプシコ、ディアジオ、ダノン、マース、ケロッグ、ロレアル、ユニリーバ、コルゲート・パーモリーブ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、SCジョンソン、レキットベンキーザー、HP、フィリップス、シュナイダーエレクトリック、ヘンケル、ヴェオリア、ウォルマート、ターゲット、マークス&スペンサー、カルフール、バーバリー、インディテックス(ZARA運営)、H&Mグループ、マン・グループ等。署名企業の合計で世界のプラスチック包装・容器の20%を占める。日本企業の署名はゼロ。
署名した政府は、英国政府、フランス政府、チリ政府、ベルギー・ワロン地域政府、グレナダ政府、ポルトガル環境・エネルギー転換省、ニュージーランド環境省、ペルー環境省、セイシェル環境省、米テキサス州オースティン市、デンマーク・コペンハーゲン市等で、日本政府や地方自治体の署名はゼロ。
金融機関では、欧州投資銀行(EIB)、ING、BNPパリバ・アセットマネジメント、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント、ボストン・コモンアセットマネジメント、トリリウム・アセット・マネジメント、ハーミーズEOS、BMO Global Asset Management、Circulate Capital等が署名した。こちらでも日本はなかった。
署名機関には、世界自然保護基金(WWF)や消費財業界のコンシューマーグッズフォーラム(CGF)も署名。大学等も署名したが、日本の大学からの署名はなかった。
署名をするには、業界ごとの最低基準が設定されている。食品・消費財企業、包装・容器メーカー、小売企業、ホテル業界等は上記3つの目標を2025年までに達成するためのアクション設定が要求される。原材料メーカーは、2025年までに再生プラスチック利用率を高める大胆な目標設定が求められる。耐久財メーカーは2025年までに再生プラスチック利用率の向上目標が求められる。金融機関は2025年までに目標達成に向けた大規模な投資が求められる。政府機関にも最低基準が設けられている。
【参照ページ】‘A line in the sand’ – Global Commitment to eliminate plastic pollution at the source
【機関サイト】New Plastics Economy Global Commitment
【最低基準】NEW PLASTICS ECONOMY GLOBAL COMMITMENT
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