IT世界大手独SAPは9月18日、自社の人工知能(AI)開発を規律するための指導原則を策定。同時に、ガバナンス改革として、社内専門委員会の「倫理ステアリングコミッティ」と、外部専門家で構成する「外部AI倫理アドバイザリーパネル」の2つを設置した。AI事業のために外部アドバイザリーグループを設置するのは欧州では初。グーグルやマイクロソフトが、AI開発に対する規律を策定する中、SAPも大規模に体制を整備した形。
AIに関しては、人間社会の手助けとなる可能性が多いものの、反対に負の側面を強調する声も多い。IT世界大手は、AIが正しく使われていくよう社内ルールの整備を進めてきている。今回の指導原則は7つの原則で構成。社内だけでなく、顧客、取引先、従業員、政府、NGO等との対話としても活用していく。
- We are driven by our values
- We design for people
- We enable businesses beyond bias
- We strive for transparency and integrity in all that we do
- We uphold quality and safety standards
- We place data protection and privacy at our core
- We engage with the wider societal challenges of AI
7つの原則には、具体的な説明も記されている。例えば、「We are driven by our values」では、AI開発において、SAPの「人権コミットメント声明」や、国連ビジネスと人権に関する指導原則、法令、国際規範を遵守すると定めている。これらの規定を具体的な事案に当てはめて判断するために、「倫理ステアリングコミッティ」が各部門に助言を行う。
「倫理ステアリングコミッティ」には、デザイン部門トップ、人事部門トップ、サステナビリティ部門トップ、法務部門トップ、データ保護・プライバシー部門トップ、デジタル政府事業部門トップ、機械学習担当上級副社長、戦略部門担当上級副社長、SAPレオナルド機械学習財団トップの9人で構成。
また「外部AI倫理アドバイザリーパネル」には、エアランゲン=ニュルンベルク大学倫理学教授、ドイツ工学アカデミー信託委員会会長、Susan Liautaud & Associates(SLAL)マネージングディレクター、Cornell Tech Information Science教授、Intelligent Biologyコンサルタントの5人が委員を務める。
【参照ページ】SAP’s Guiding Principles for Artificial Intelligence
【参照ページ】SAP Becomes First European Tech Company to Create Ethics Advisory Panel for Artificial Intelligence
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