チョコレート世界大手米マースは9月6日、カカオの持続可能な調達に向けた包括的アクション「Sustainable in a Generation Plan」の初年度の進捗結果を発表した。同社は2017年9月、今後数年間で10億米ドル(約1,100億円)を投資し、大規模な生産・調達改善を開始していた。
同プランは、科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量、水消費量、土地利用環境負荷の削減「Healthy Planet」、バリューチェーン100万人の所得改善「Thriving People」、消費者の健康や安全を考慮した製品イノベーションを行う「Nourishing wellbeing」の3つで構成されている。また、以前から取り組んでいる持続可能な調達への取組についても同レポートの中で一緒に進捗状況を公表している。
持続可能な調達では、製品包装、紅茶、カカオ、コーヒー豆、魚介類、パーム油、コメについて、それぞれ100%を認証取得済のものやリサイクル可能なものに転換することをコミットしている。その結果、パーム油は2013年、コーヒー豆は2014年、紅茶は2015年に100%を達成。カカオは2016年時点で47%、魚介類は57%、コメは96%で上昇した。製品包装でのリサイクル可能素材活用も2016年に89%となった。
「Healthy Planet」では、サプライチェーン全体での二酸化炭素排出量を2025年までに2015年比27%削減としているが現状は反対に0.7%増。サプライチェーン全体での水消費量も2025年までに2015年比50%削減に対し、16%増という結果だった。事業からの直接二酸化炭素排出量は、2020年までに2015年比20%削減に対し10%削減を達成。水ストレスの高い地域での水消費効率でも2015年比15%向上に対し、7%向上まで到達した。2020年までの埋立廃棄物ゼロとサプライチェーン全体での土地利用面積を増加させないという目標んついては、すでに達成した。
「Thriving People」では、サプライチェーンへの労働デューデリジェンスを実施、合格した事業所が93%に到達。また6カ国89,000人の農家が農業技術の向上や市場へのアクセス等を得た。女性カカオ農家では3,500人が貯金・ローン等の金融サービスを受けられるようになった。
「Nourishing wellbeing」では、全てのチョコレート製品の1個当たりのカロリーを250kcal以下に抑えることを99%達成。製品へのカロリー表示も99%。メディア宣伝での出稿や内容に関する独自の「マーケティング基準」達成度も100%に限りなく近づいてきた。
フェアートレード推進国際組織フェアートレード財団は9月18日、マースのカカオ豆調達の取組を歓迎すると発表した。
【参照ページ】NEW REPORT SHOWS FIRST STEPS TOWARD BECOMING SUSTAINABLE IN A GENERATION
【参照ページ】FAIRTRADE FOUNDATION RESPONSE TO MARS' "COCOA FOR GENERATIONS" PLAN
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