金融世界大手蘭INGは9月14日、パリ協定の2℃目標に合わせ、気候変動に対応するための新たな融資戦略「Terra approach」を発表した。気候変動を前に事業変化が迫られるセクターをシナリオ分析を基に特定。自社の融資事業が低炭素社会への必要なシフトに適合しているかを確認するとともに、融資先企業に対しても技術変化を迫る。Terra approachの設計及び実行では、気候変動分野NGOの2˚ Investing Initiative(2˚ii)が支援する。
INGは、「Terra approach」で焦点を当てるセクターとして、エネルギー、自動車、海運・空輸、鉄鋼、セメント、住宅ローン、商業不動産の7つを挙げた。各セクターでの必要な技術変革は個別性があり時間軸も異なるが、2˚iiとともに具体的なあるべき変革内容を設定していく。設計に必要なデータは、すでに2˚ii等が活用しているデータを用いるため、個別に企業にはデータ提供を要求しない予定。
分析した結果は、融資内容にも反映させる。INGは今回、融資ポートフォリオの構成比を帰るだけでなく、ダイベストメント(融資引揚げ)にも言及。同社はすでに2025年までに石炭エクスポージャーをほぼゼロにするという宣言をしており、今回の戦略はそれをさらに補完していくものとなる。
INGは今後、進捗報告をレポートとして公表する予定。また、他の金融機関や他の企業に対しても、「Terra approach」への参加を呼びかけるとした。すでに複数の銀行から前向きな反応が寄せられている模様。
【参照ページ】ING will steer portfolio towards two-degree goal to help combat climate change
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