国連欧州経済委員会(UNECE)と国連教育科学文化機関(UNESCO)は8月27日、国連持続可能な開発目標(SDGs)に関し、水資源の国際管理の必要性を訴えるレポート「Progress on Transboundary Water Cooperation」を発表した。
同レポートは、SDGs指標に関する機関間専門家グループ(IAEG-SDGs)が策定したSDGsの達成状況を測るための「SDG指標」の中で、SDG指標6.5.2の状況を分析したもの。この指標は、SDGsのターゲット6.5「2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合的な水資源管理を実施する」の進捗状況を測るためのもの指標の1つ。6.5.1が「統合水資源管理実施度合い」なのに対し、6.5.2は「水資源協力実施が整備された越境流域の割合」とし、6.5.1を補完する内容となっている。
現在、世界では153ヶ国が河川や湖沼等の流域を他国と共有しており、国際水域は地球の地表水の半分以上を占める。世界人口の40%は国際水域に依存し生活している。そのため、水域の国際管理は、持続可能な発展のために非常に重要となっている。
今回の調査では、153ヶ国のうち107ヶ国政府が調査に回答。国際水域の59%を占める62カ国が、領域内の国際水域は事業管理されていると答えたものの、全ての国際水域が事業管理されていると答えた国はわずか17ヶ国しかなかった。SDGsターゲット6.5は2030年までに100%の国際水域を事業管理すると掲げているが現状は程遠いことがわかった。国際水域についてはデータ取得にすら困難を抱える国も多かった。
また、同レポートは、「事業管理」の定義について、「共同管理組織やメカニズムが存在している」「年に1回以上沿岸国会議が開催されている」「年1回以上データや情報共有が行われている」「沿岸国が共同管理計画や計画調整を行っている」の4つ全てを満たす状態としている。
UNECEとUNESCOは、国際水域の国際的な管理強化が必要と提唱した。
【参照ページ】UNECE and UNESCO SDG indicator report shows need to strengthen transboundary water cooperation worldwide
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