英ビジネス・エネルギー・産業戦略省の破産サービス部門「Insolvency Service」は8月26日、コーポレートガバナンスに関し、取締役適格性に関する新たな規制を導入すると発表した。従業員給与や年金負債の支払を避けるため企業を一度倒産・解散させ、別途同一の企業を新設する行為「フェニックシング(Phoenixing)」に関与する取締役には高額罰金を科し、同時に取締役への就任を禁止すると発表した。
フェニックシング行為は、別名「バンピング(Bumping)」とも呼ばれる。今回の措置は、労働者の権利を保護するため、労働者の賃金や福利厚生をないがしろにし、強欲に自らの利益だけを追求する取締役に対する罰則規定を導入する。フェニックシングに関与しているとみなされた取締役は、捜査対象となり、白黒判定される。英国では、建設大手カリリオンが2018年1月に経営破綻し、清算されたが、国会調査によりフェニックシング行為とみなされていた。
今回、同省は同時に、年間の配当設定について株主決議を実施しているかをチェックするとも発表。運用会社業界団体Investment Associationがチェックを担当する。
さらに、財務上回復の見込みがある企業の立て直しについて、雇用を保護するため企業に立て直しの猶予を与える。具体的には、企業のリストラクチャリングや追加出資先探しに関する時間的猶予を延長し、経営危機に陥った企業が小規模サプライヤーや労働者が未払負債の支払いを完遂できるよう事業継続を認める。
またコーポレートガバナンスでは、取締役に法的義務に関する研修の導入、取締役に対する外部評価についても今秋から検討していくと表明した。
【参照ページ】New crackdown on reckless directors
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