コンサルティング世界大手ボストンコンサルティンググループ(BCG)は8月20日、食品廃棄物の分析報告を発表。毎年世界で16億tの食品廃棄物が発生しており、金額に換算すると1.2兆米ドルとなる。さらに食品廃棄物は2030年までにさらに増加し、21億t、金額換算で1.5兆米ドルとなると予測した。
ボストンコンサルティンググループは今回、バリューチェーン毎の食品廃棄物量を分析。廃棄量は、原材料生産工程が最も多く5億tを占める。次いで出荷・保管で3.5億t、消費で3.4億t。一方、各バリューチェーン毎の廃棄物の金銭価値は基本的にバリューチェンの下流に行くほど高く、消費工程での廃棄物だけで0.5超米ドルを占める。
今回の調査では、食品廃棄物発生のドライバーとして、「問題や潜在的な解決策への認識欠如」「不適切なサプライチェーンインフラ」「食品廃棄物に対するサプライチェーンでの有効な努力の欠如」「バリューチェンでの協働の薄さ」「不十分な規制」の5つを特定した。ボストンコンサルティンググループは、各ドライバー毎の事業機会市場規模を算出。「問題や潜在的な解決策への認識欠如」は2,600億米ドル、「不適切なサプライチェーンインフラ」は1,500億米ドル、「食品廃棄物に対するサプライチェーンでの有効な努力の欠如」は1,200億米ドル、「バリューチェンでの協働の薄さ」は600億米ドル、「不十分な規制」は1,100億米ドルとし、合計で700億米ドルと見積もった。
また、ソリューションは、企業、政府、国際機関、NGO等が有機的に協同していかなければいけないと主張。実現していくバリューチェーン毎の5つのドライバーを進展させるために、13の潜在的なイニシアチブを特定した。さらに企業に対しては、「打ち手領域の設定」「正しいパートナーの発掘」「インパクトの測定」の3つのステップを進めるよう提言した。
【参照ページ】TACKLING THE 1.6-BILLION-TON FOOD LOSS AND WASTE CRISIS
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