国際環境NGOグリーンピースは8月15日、米小売大手の海産物サステナビリティを評価するレポート「Carting Away the Oceans」の2018年版を発表した。同レポートは2008年に発行を開始し今年が10周年目。同レポートは、この10年間で米小売の海産物サステナビリティへの取組は大きく改善したものの、使い捨てプラスチックの問題にはまだ実効性のあるアクションを打ち出せていないと評した。
今年のレポートでは、小売大手22社が評価対象。「方針(ポリシー)」「イニシアチブ」「ラベリングと透明性」「取扱品目」の4つの観点で評価を実施した。評価の情報源は、各社に対する個別アンケートと公開情報。個別アンケートでは、Publix、H-E-B、Wakefernの3社は回答しなかったが、それ以外の企業はアンケートに回答した。
(出所)Greenpeace
今年の首位はホールフーズ・マーケット。ツナ缶等の常温保存可能まぐろ商品での調達基準を強化したことが高く評価された。2位はHy-Veeで、透明性の高いサプライチェーン管理が評価された。ALDIは今回初めて3位内に入った。違法漁業の温床となりやすい洋上積み替えに対するポリシーを新たに策定したことが評価された。4位のターゲットまで含む4社は、スコア70点以上の優良企業に選定された。
過去推移では、2008年の初回レポート時は、評価対象企業全てがスコア40点未満の「レッドリスト」だったが、2010年には70点未満の「イエローリスト」が「レッドリスト」と同じ数に並び、2012年からは70点以上の「グリーンリスト」が登場した。今年は、グリーン4社、イエロー16社、レッド2社だった。
一方、海洋プラスチック問題の大きな原因となっている使い捨てプラスチックでは、いずれの企業も包括的な対策を講じていないと指摘。グリーンピースは今後、使い捨てプラスチックの削減に向け働きかけていくと表明した。
【参照ページ】Greenpeace report marks decade of retailer progress on sustainable seafood
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