英国家サイバーセキュリティ・センター(NCSC)は7月19日、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の製品を英国の重要なインフラに用いるリスク評価に関する第4次報告書を公表し、英内閣府国家安全保障顧問に提出した。国家サイバーセキュリティ・センターは、英政府通信本部(GCHQ)傘下に2016年に設置された政府機関で、サイバーセキュリティに関する調査、助言を担っている。同レポートは、ファーウェイはNCSCが求めた技術的作業には全て応えたものの、国家安全保障上の安全性については「限定的にしか保証できない(Only limited assurance)」とした。
懸念されるファーウェイのリスク審査に関しては、NCSCに「ファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)監督委員会」を2014年に設置し、毎年報告書を英内閣府国家安全保障顧問に提出している。ファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)は、ファーウェイと英政府の協議に基づき、ファーウェイの英法人内に2010年に設置された機関。ファーウェイの製品や英国内での事業に関するリスクを緩和することをミッションとし、NSCSへの情報提供はHCSECが担っている。
ファーウェイの通信関連機器については、米国でも中国政府に対して情報を流出させているという懸念が強い。英国では、正式にHCSECとNCSCとの間で技術的な情報審査が行われている。HCSEC監督委員会は、HCSECが英国の保証フレームワークを十分クリアしており、HCSECのファーウェイからの独立性は監査大手EYからも第三者保証が得られているものの、ファーウェイ製品の設計・製造過程に関する情報不足は英通信ネットワークへのリスクとなると判断した。
【参照ページ】Huawei cyber security evaluation centre oversight board: annual report 2018
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