米ノースダコタの連邦地方裁判所は7月25日、ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)の建設主体の一つEnergy Transfer Partners(ETP)が環境NGOバンクトラック等3団体を相手取り起こした訴訟を不受理とし、NGO側が勝利した。ETPは、バンクトラック等が起こしたDAPL建設反対運動が著しい過失行為であり、ETPとDAPLに関する情報を誤認させ、犯罪行為及びテロリズム行為を扇動、資金提供、助長させたとして2017年8月に告訴したが、同11月29日、バンクトラック側は同訴訟を不受理とするよう裁判所に申し出ていた。
今回の訴訟の被告となったのは、バンクトラック、グリーンピース・インターナショナル、Earth First!の3団体。一時は、裁判所は訴状を受理するとの観測も出ていたが、最終的に不受理となった。同裁判所は、不受理とした理由について、原告側が訴えた被告の組織犯罪規制法(RICO法)の基づく犯罪行為は確認できず、RICO法違反でない場合は今回の案件に対して同裁判所は管轄権を持たないと説明した。RICO法は、一定期間内に連続した組織的不法行為を行った場合に、刑事罰と同時に民事として3倍賠償を課せられるとした法律で、マフィア犯罪等に主眼が置かれている。
今回のケースでは、バンクトラック等がDAPL反対運動の一環として、ETPを含むDAPL建設関連企業への融資銀行への書簡送付や活動に対するコメントの発表等のアドボカシー活動が、RICO法違反に当たるか否かにあった。最終的に同連邦地裁は、このようなアドボカシー活動は日常的な行為であり、犯罪行為と見做す訴えはRICO法の不当な拡大適用となると判断し、ETP側の主張を退けた。
【参照ページ】Judge dismisses DAPL case against BankTrack in full: our reaction
【裁判所判断】1:17-cv-00173-BRW-CSM
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