独最大財団のベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は7月9日、各国の国連持続可能な開発目標(SDGs)達成状況を分析したレポート「SDG Index and Dashboards Report」の2018年版を発行した。同レポートは2016年から発行しており今年で3回目。国連加盟前193カ国について分析している。
今年のレポートからは、SDGsの現時点の達成状況だけでなく、改善スピードについても初めて分析した。結果、2030年までにSDGsが掲げる全ての目標を達成できる見込みのある国はないと警告。G20諸国の中では、ブラジル、メキシコ、イタリアが強力なSDGs政策や各省庁の連携を実現するなどして大きな前進を遂げ、インドとドイツでは投資需要アセスメントを部分的にでも実施したと評価。しかしながら、いずれのG20諸国もSDGs達成に向けた予算が不十分で、とりわけロシアと米国では厳しい状況にあると分析した。
ゴール別の取組状況では、先進国は貧困や飢餓については概ね解決しているものの、「責任ある消費と生産」「気候変動」「海洋生態系」についてはスコアが低かった。発展途上国では、貧困や医療・教育へのアクセスでは大きく改善したものの、環境問題への構造的解決には依然として大きな課題を抱えていることがわかった。
同レポートでは、各国の17のゴール及びターゲット毎の評価と総合スコア「SDG Index」の発表を行っている。
SDG Index 2018
- スウェーデン(85.0)
- デンマーク(84.6)
- フィンランド(83.0)
- ドイツ(82.3)
- フランス(81.2)
- ノルウェー(81.2)
- スイス(80.1)
- スロベニア(80.0)
- オーストリア(80.0)
- アイスランド(79.7)
- オランダ(79.5)
- ベルギー(79.0)
- チェコ(78.7)
- 英国(78.7)
- 日本(78.5)
- エストニア(78.3)
- ニュージーランド(77.9)
- アイルランド(77.5)
- 韓国(77.4)
- カナダ(76.8)
2018年のSDG Indexは、例年同様北欧諸国が上位。また上位20位内の多くを欧州諸国が占める。日本は欧州以外で最高位の15位。アジアでは韓国19位、シンガポール43位、中国54位、ベトナム57位、タイ59位だった。また、米国は35位、ロシアは63位だった。
日本の各ゴール毎の評価では、ゴール4「教育」では最も上位の「緑」評価だったが、ゴール5「ジェンダー平等」、ゴール12「責任ある消費と生産」、ゴール13「気候変動」、ゴール14「海洋生態系」、ゴール17「パートナーシップ」では最も下位の「赤」評価だった。さらに、ゴール13「気候変動」に関しては、トレンドとしても悪化傾向の「赤」評価となった。一人当たりの二酸化炭素排出量が増加したことが大きな原因。
【参照ページ】Poor Implementation: Rich countries risk achievement of the global goals
【レポート】SDG INDEX AND DASHBOARDS REPORT 2018
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