Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【エクアドル】憲法裁、シェブロン対先住民裁判で先住民側勝訴。20年以上の裁判が結審

 エクアドル憲法裁判所は7月10日、エネルギー大手米シェブロンが、同国アマゾン熱帯雨林地域の先住民の土地に、有害原油廃棄物数十億ガロンを意図的に廃棄したとし95億米ドル(約1.1兆円)の罰金を科した3審判決を判事の全会一致で支持し、シェブロンの上告を退ける判決を下した。同社は、詐欺行為により騙されたと主張するともに、エクアドルの裁判所には米企業のシェブロンを裁く管轄権ないと主張していたが、いずれも棄却した。シェブロンとエクアドル先住民グループとの20年以上の法廷闘争がついに結審した。

【参考】【カナダ】オンタリオ裁判所がエクアドル先住民を支持しシェブロンに賠償命令(2014年1月21日)

 裁判の原告は、エクアドル先住民族保護団体「Amazon Defense Front」。先住民80人で構成している。シェブロンを相手取った訴訟は、1992年に米ニューヨーク地裁から始まり、エクアドル、カナダでの裁判所も巻き込みながら複雑な展開をたどってきた。エクアドルの裁判所に提訴されたのは2011年で、すでに民事訴訟の最上位裁判所エクアドル国家司法裁判所はすでに全会一致で先住民側の勝訴判決を出している。その後、シェブロン側が憲法違反を盾に違憲審査のみを行う憲法裁判所に提訴し、4審目となっていた。

 シェブロンは、エクアドル国家司法裁判所が認めた95億ポンドの罰金の支払いを履行しておらず、罰金額は現時点で金利を含め120億米ドルとなっている。また、同社は原告側に対し、主張を引き下げない限り、一生法廷闘争を続けると脅してもいた。これまでにシェブロンが雇った弁護士は60弁護士事務所2,000人に及ぶ。さらに、廃棄原油清掃費用を賄うため、エクアドル政府を相手取った裁判外紛争解決手続も起こし、公的資金の注入を要求している。

 シェブロンとエクアドル先住民の法廷闘争では、米地裁のみがシェブロン側の勝訴とした一方、米上級審、カナダ裁判所でも全てエクアドル先住民側が勝利している。

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。