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【国際】S&P、気候変動が与えた企業利益への影響に関する分析レポート発表。「影響は有意」

 信用格付世界大手米S&Pグローバル・レーティングは6月11日、気候変動が企業利益に与えた影響を分析したレポートを発表した。気候変動や異常気象が企業利益に与える影響は有意と結論づけた。

 今回S&Pグローバル・レーティングは、気候変動が企業利益に与えた影響を調査するため、金融情報端末ブルームバーグを活用し、2017年4月から2018年4月までの間になされた業績修正報告において気候変動に関する説明がなされた企業を集計した。今回の調査では、特にS&P500企業での状況に焦点を当てた。一方、保険会社を含む金融機関については今回の調査対象から外した。

 今回の調査によると、S&P500企業のうち気候変動が利益に影響を与えたと言及した企業は73社で15%に上った。しかし、定量的な影響まで踏み込んで発表した企業は18社で4%だった。定量的な影響を発表した企業の平均の利益インパクトは6%と顕著な数値だった。

 経営陣の声明の中で、気候変動や気象に言及していた件数は、石油やトランプ、米ドル、景気後退等を上回っていた。この傾向は2017年以降ずっと続いており、2009年に景気後退が気候変動や気象を上回った以外、全ての年で気候変動や気象に関する言及が最多だった。また、気候変動や気象に言及した経営陣のうち、CEOが53%と過半数を超えた。さらにCFOを足すと全体の86%を占めた。

 気候変動による影響が重大だと述べた企業が多かった業種は、素材メーカー、電力会社、エネルギー会社、製造業の順。通信会社やIT企業は少なかった。一方、株式アナリストから気候変動影響に関する質問が多かった業種は、消費財業界と製造業だった。

 定量的な気候変動の利益影響では、S&P500以外の企業も含めた全体統計で、素材業界が約13%と最多。次いで製造業8%、通信6%、エネルギー6%、消費財は約2%だった。しかしながら、大半の企業は定量影響を発表していないため、全体傾向とは言い難い。

 また、S&Pグローバル・レーティングの信用格付への影響では、気候変動により格付が変化した企業が43件。その中で格付が下がったものが65%と大半を占めた。

【レポート】The Effects of Weather Events on Corporate Earnings Are Gathering Force

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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