スウェーデン人権・環境NGOのSwedWatchは6月20日、ミャンマー・カチン州で発生している国軍とカチン独立軍との内戦に、ヒスイ鉱山採掘が両者にとっての資金源になっているとするレポートを発表。採掘に建機を提供している建機大手キャタピラー、小松製作所、ボルボ建設機械の3社を強く非難した。
同レポートに寄ると、カチン州での採掘には2000年頃から重機が使用されるようになり、最近は非常に早いスピードでヒスイが採掘されている。採掘からの収益は、賄賂等の形となって政府とカチン独立軍の紛争の資金源となっているという。2011年からすでに市民10万人が紛争に巻き込まれており、毎年数百人の死者が出ている。また、大きな環境破壊も伴っている模様。
同レポートは、カチン州の社会不安に対し、建機メーカーは直接的な責任はないとしつつも、採掘企業への建機販売方針が不十分としている。建機メーカーは、自社の製品の使用が環境破壊や人権侵害をもたらすリスクを特定、分析、緩和する必要があると迫った。現地で使用されている建機は、小売業者や卸売業者を通じて購入されたり、中国の中古車市場を通じて密輸されているため、建機メーカーの管理は容易ではない。それでも、どの建機メーカーも、ミャンマーの紛争地域で自社の製品が使われている実態を把握しようとしていないと批判した。
同レポートは、国連ビジネスと人権に関する指導原則により、企業は製品が生む悪影響を抑えるため製品販売という影響力を行使する義務があると指摘。自社だけでは対応が不十分だとするならば、業界全体を通じて対策を講じるべきだと言及した。さらに、先日発表された「責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス」を基に、リスクマップを作成するよう提言した。
【参考】【国際】OECD、責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス採択。48カ国参加(2018年6月7日)
【参照ページ】MACHINE MANUFACTURERS MISS MR RISKS IN MYANMAR MINING INDUSTRY
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