英エネルギーデータ大手ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)は6月19日、2050年までの各国の電力供給を予測したレポート「New Energy Outlook 2018」を発表した。2050年までに太陽光発電と風力発電で世界の電力の50%を供給していると分析した。
今回のレポートは、太陽光発電や陸上・洋上風力発電の技術発展、電気自動車(EV)の普及等の変化を織り込み、2050年までの長期予測を行った。また、世界主要12カ国については各国ごとの長期予測も行った。2050年までには世界全体で太陽光発電と風力発電が電源の50%を構成。水力発電、原子力発電、他の再生可能エネルギー発電を加えると、現状の37%から2050年には71%に達すると見通した。
太陽光発電と風力発電の普及の背景は、大幅なコストの低下。太陽光発電のコストは2050年までに71%低下、風力発電コストも58%低下するという。バッテリーコストも同様に低下し、2050年までに石炭火力発電やガス火力発電のコストを下回っていく。2018年から2050年までの発電所新設投資は11.5兆米ドル(約1,260兆円)と試算。そのうち8.4兆米ドル(約920兆円)は太陽光発電と風力発電に投資される。また水力発電と原子力発電への投資額は1.5兆米ドル(約160兆円)。
化石燃料の中で最も落ち込むのは、石炭火力発電。現在の電源割合38%から2050年には11%に低下する。ガス火力発電は、設備容量は増えるものの、それ以上に再生可能エネルギー発電が進展するため電源割合は横ばい。一方、電気自動車の普及により、電力需要の9%は電気自動車の充電用となる。
国別では、2050年までに欧州の再生可能エネルギー割合は87%を占めるまでに成長する。米国でも55%、中国でも62%、インドでは75%となる。
BNEFは、ブルームバーグが2009年に英ニュー・エナジー・ファイナンスを買収し、傘下に収めた。
【参照ページ】Batteries boom enables world to get half of electricity from wind and solar by 2050
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