経済協力開発機構(OECD)は5月30日、仏パリで年次閣僚理事会を開催し、「責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct)」を採択した。同ガイダンスは、OECD多国籍企業行動指針(OECD多国籍企業ガイドライン)の補足文書の扱いで、デューデリジェンスの手法を定めたもの。今後、同ガイダンスの履行状況を相互に監視する。
今回ガイダンスを採択したのは、OECD加盟35カ国及び今回の閣僚理事会でOECD加盟が承認されたコロンビアとリトアニア、さらにOECD非加盟国からもアルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エジプト、ヨルダン、カザフスタン、モロッコ、ペルー、ルーマニア、チュニジア、ウクライナの12カ国の合計48カ国。日本もOECD加盟国。
OECD多国籍企業行動指針は、情報開示、人権、雇用及び労使関係、環境、腐敗防止の防止、消費者利益、科学及び技術、公正な競争、納税等幅広い分野の企業行動に関する原則を定めている。2011年の改訂時には、自社またはサプライチェーン上で発生する潜在的な悪影響を特定し、リスクに基づくデュー・デリジェンスを実施すべき等の規定が新たに追加され、具体的なデューデリジェンス・プロセスの策定が進められていた。今回の同ガイダンスが、その成果物に当たる。
今回のガイダンスは、企業、労働組合、NGOも作成に関与。OECD多国籍企業行動指針だけでなく、鉱物資源、農業、アパレル等のサプライチェーンを対象にしたOECDの各ガイダンスにも準拠した。
同ガイダンスを採択した国の多国籍企業は今後、労働、人権、情報開示、汚職等に関する企業方針の再考及び公表や、サプライヤーに対し契約条文等を通じた履行推進、自社及びサプライチェーンを通じた悪影響の特定、防止、対処等の状況を公表することが求められる。
【参照ページ】Countries commit to step up efforts to drive more responsible business conduct through new OECD instrument
【ガイダンス】OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct
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