食品世界大手米ゼネラル・ミルズは5月23日、カカオの持続可能な調達状況について近況報告を行った。同社は2014年、2020年までにオート麦、小麦、トウモロコシ、カカオを含む上位10種の原材料の調達を全てサステナブルにするという目標を掲げた。カカオは焼き菓子からシリアル、スナックまで幅広い商品に使用されており、サステナブルな調達比率は現時点で59%となった。
ゼネラル・ミルズが調達するカカオの90%以上がコートジボワール、ガーナ、ナイジェリア等の西アフリカ地域で生産され、生産者の大半が小規模農家。カオ農家は一般的に、低い生産性や土壌の質の悪化、害虫、その他の環境要因により生産が安定していない。同社は現地の卸売企業と協力し、サステナブルな生産方法の普及や小規模農家の収入向上を目指している。
具体的な取組としては、3つの主要カカオサプライヤーとサステナブル調達に関する行動規範を適用。そのうち2社は2013年から、1社は2016年から同行動規範のもとで事業を実施している。これにより、コートジボワールでは、これまでに24万7,000名の農家が農業に関するトレーニングを受講。5万2,600名の農家が収入が改善したと報告した。ナイジェリアではこれまで6,700名の農家がカカオ栽培についてトレーニングを受講した。
行動規範では、児童労働に関する規定も含まれている。また、ガーナでは234名の農家がトレーニングを受講し、子どもの小学校通学率は99%にまで改善。世帯の食糧不安も25%改善した。
ゼネラル・ミルズはカカオのサステナビリティに関する業界全体のイニシアチブにも積極的に参加している。2017年には、他のチョコレート業界34社と共に、世界カカオ基金が主導する「Cocoa and Forest Initiative(カカオと森林イニシアチブ)」に参加。西アフリカのカカオ生産地域における森林伐採の根絶を目指している。またガーナとコートジボワールでは、アクション・フレームワークを策定し、ゼネラル・ミルズとサプライヤーの2018年末までの具体的なアクションプランを設定した。CARE等NGOとも協働している。
【参照ページ】Improving the sustainability of cocoa grown in West Africa
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