国際環境NGOのUnfriend Coalは5月10日、英保険大手AVIVAに対し、同社の気候変動への取組が手ぬるいとするレポート「Aviva and Coal: a very long engagement」を発表した。Unfriend Coalは、気候変動への影響が大きい石炭分野でキャンペーンを展開するNGO。とりわけ保険会社に対するアクション強化を要求している。同社は2015年に気候変動対する戦略的取組を示した声明を発表した先進的な存在。Unfriend Coalは、取組の浅い企業ではなく、比較的先進的な同社を狙い撃ちし、トップレベルに追いつくよう促すという作戦に出た。
Unfriend Coalは、パリ協定達成のためには、石炭火力発電の新設を止め、さらに既存の石炭火力発電所も毎年100GW分停止させることが必要だと訴えている。同社の分析によると、AVIVAは現在、世界で石炭火力発電建設に係る世界大手120のうち、31社に合計4億5,800万ポンド(約682億円)を資金提供しているという。同NGOは対応が不十分だと指摘した。
また同NGOは、AVIVAに対し石炭関連企業からのダイベストメントも要求している。同社は2015年の声明発表以降、石炭火力発電新設を推進する米PG&Eと電源開発(J-POWER)からのダイベストメント(投資引揚げ)を発表し、さらに15社(合計投資額1,100万ポンド)のダイベストメントを実施中だとした。その15社のうち、6社は中国企業、2社はインド企業だという。しかし同NGOは、それ、実施したものは「全体からみたらわずかだ」と不満を表明。AVIVAは2017年11月時点で、中国華能グループに1,600万ポンド、インド火力発電公社(NTPC)に1,900万ポンドを投資していると分析した。この2社だけで、現在石炭火力発電を38GW新設しようとしている。
同レポートでは、最前線を走る保険会社として仏アクサとスイスのチューリッヒ保険を引き合いに出し、AVIVAにも踏み込んだ石炭ダイベストメントを要求した。さらに、AVIVAの株主総会でも、Unfirned Coalの活動家が株主として出席し質問を実施。大きな注目を集めた。
【参照ページ】Aviva’s £920 million investment in coal and tar sands
【レポート】Aviva and Coal: a very long engagement
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