米環境保護庁(EPA)のスコット・プルーイット長官は4月24日、法規制策定の根拠となる科学データを、公開データのみに基づくとする新ルールを検討していることを明らかにした。招待制の記者会見で語った。EPAは過去数十年、大気、水、化学品に関する規制を、非公開データに基づく研究を参照して策定してきた。新ルールでは、匿名性のある医療データや産業データに基づく研究は参照できなくなる。プルーイット長官は透明性を高めるためと説明した。
同ルールはもともと米連邦下院科学委員会のラマー・スミス議長が提案している法案に盛り込まれている考え方。同議員は気候変動の議論の根拠となるデータに否定的なことで知られる。同ルールについては、産業からも求める声が上がっており、非公開データや研究に基づく規制は妥当性判断が困難なため不公平と主張している。一方、プルーイット長官側も、EPAに多くの非公開データを報告している化学業界にも混乱をもたらす可能性を考慮しているという。
同ルールに対し、科学者985名は規制策定能力を弱めかねないと懸念を示す書簡を送付。環境団体も、匿名性の高い毛のうデータ使用が制限されれば、大気汚染や健康被害を結びつけるような研究が政策策定の検討から漏れるとの懸念を示している。
同ルールは、30日間のパブリックコメント募集期間の後、導入に向けた最終検討を始める。
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