世界銀行グループの国際開発協会(IDA)は4月16日、同機関初となる年限5年の債券を15億米ドル(約1,600億円)発行した。金利2.75%。信用格付はムーディーズAaa、S&PでAAA。ルクセンブルク証券取引所に上場。共同主幹事は、バークレイズ、BNPパリバ、JPモルガン、野村。
IDAは1960年設立。他の世界銀行グループ機関が主に発展途上国や民間向けの長期融資を実施しているのに対し、IDAは最貧国向けの無利子融資、低金利融資、無償資金提供等を担当している。融資の返済期間は25年から38年と長く、5年から10年間の支払猶予期間も設定されている。IDAは設立以来、113カ国で合計3,450億米ドル(約38兆円)の資金を提供。2017年度の融資承認額は190億米ドルで、総額の18%は無償資金だった。
IDAの資金調達はこれまで負債をほぼ抱えず、各国からの拠出額で運営してきた。過去の拠出額合計は1,580億米ドル(約17兆円)。拠出額全体のうちG7諸国からの贈与相当拠出金が68%を占める。しかし、最貧国支援を加速させるため、2016年にIDAの出資者の資金調達方法の転換に合意し、市場から資金を調達することを決めた。最貧国の国連持続可能な開発目標(SDGs)達成を支援する。
IDAは当初10億米ドルの発行を発表したが、発売開始からわずか2日で30ヶ国100機関から46億米ドルの注文が入った。そのため発行額を15億米ドルに増額した。購入者は地域別でアジア34%、欧州34%、北南米23%、中東・アフリカ9%。機関別では、中央銀行等43%、年金基金・保険25%、銀行・事業会社24%、運用会社8%。
【参照ページ】IDA Makes Historic Capital Market Debut with Inaugural US$1.5 Billion Benchmark Bond: First IDA bond nearly five times oversubscribed
【参照ページ】IDA launches Inaugural Bond, Pioneering New Model for Development Finance: First IDA bond raises US$1.5 billion from investors around the world
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