金融世界大手英HSBCは4月20日、低炭素経済への転換を推進するため、同社のエネルギーポリシーを改訂し、ベトナム、インドネシア、バングラデシュの3ヶ国以外の世界全ての国において新規の石炭火力発電所建設へのファイナンスを全て禁止すると発表した。プロジェクトへのファイナンスや財務アドバイスを禁止するとともに、及び使途の50%以上が関連事業に投資される場合は全面的に取引を禁止する。
HSBCは2011年に石炭火力発電へのファイナンスを大規模に制限するポリシーを策定。先進国78ヶ国での新設石炭火力発電所へのファイナンスを禁止した。今回のポリシー改訂はそれに続くもので、禁止対象を発展途上国に拡大した。今回措置の対象となる新規の石炭火力発電とは、全く新しく建設される石炭火力発電所だけでなく、既存の発電所の大規模拡大や、同社が過去にファイナンスを提供していない既存の発電所も含む広範な概念。但し、炭素回収・貯蔵(CCS)技術が導入される発電所については、個別に禁止の当否を判断する。
ベトナム、インドネシア、バングラデシュの3ヶ国に対しては、代替手段が限られていると判断。二酸化炭素排出量が一定水準に抑えられ、かつエネルギー需要を満たすための価格競争力のある代替手段がないと独自に判定される場合に限り、新設石炭火力発電へのファイナンスを許可する。
加えてHSBCは、北極海での新規のオフショア石油・ガス採掘プロジェクトと、新規のオイルサンド採掘プロジェクト、オイルサンド輸送用の新規パイプライン建設に対するファイナンスも全面的に禁止した。既存のオイルサンドに関するものは今後も継続する。
既存の融資残高についても、2019年12月31日までに、高所得国での新規の石炭火力発電所建設への融資を段階的にゼロにし、オイルサンドへの融資も時間をかけて減らすと宣言した。
【参照ページ】HSBC strengthens energy policy
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