金融庁は4月13日、巨大な金融機関に課している倒産予防制度「総損失吸収力(TLAC)」に関し、「金融システムの安定に資する総損失吸収力(TLAC)に係る枠組み整備の方針について」を改訂した。今回定めた方針を基に、今後関連法令の改正を行う予定。
巨大な金融機関に対しては、リーマンショックの苦い経験を背景に、金融安定理事会(FSB)が2015年11月、「グローバルなシステム上重要な銀行の破綻時の損失吸収及び資本再構築に係る原則」を策定。グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に対し「総損失吸収力」(TLAC)の確保を命じることが決まった。対象企業は、グループ企業が倒産した際のシステミックリスクを予防するため、グループ内で所定水準の損失を吸収できる資産構成が要求される。
G-SIBsの指定は、随時金融安定理事会が実施しており、日本企業では三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3社が現在指定されている。まずG-SIBs指定企業がTLACの対象となる。加えて金融庁は今回、日本の金融システム上重要な金融機関(D-SIBs)のうち、国際的な破綻処理対応の必要性が高く、破綻の際に日本の金融システムに与える影響が特に大きい金融機関もTLAC対象に指定する方針を発表。これに基づき、野村ホールディングスもTLAC対象に指定された。メガバンク3行は2019年3月31日から、野村ホールディングスは2021年3月31日からTLAC規制が適用される。金融庁はこの4社を「4SIBs」と呼称している。
4SIBsは、TLAC規制適用以降、リスク・アセット及びレバレッジエクスポージャーの金額に対し、損失吸収力等を有すると認められる資本・負債を予め定められた率保有しなければならなくなる。
【参照ページ】「金融システムの安定に資する総損失吸収力(TLAC)に係る枠組み整備の方針について」の改訂について
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