ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は4月12日、新規の海洋原油採掘プロジェクトを禁止すると発表した。今後、新規プロジェクトを認可しない。一方、現在進行中のプロジェクト22件については継続を認める。
アーダーン首相率いるニュージーランド労働党連立政権は、昨年の発足以来、気候変動対応を重要分野として位置づけている。政府は、2035年までに電力を100%再生可能エネルギー由来に転換、2050年までに国内経済をカーボンニュートラルにする目標に掲げており。今回の判断もそれに基づくもの。
禁止方針に対しては、国際環境NGOグリーンピースのニュージーランド支部が強く訴えてきた一方、産業界から禁止しないよう強く政府に求めていた。最終的に政府は環境政策を押し切った形。既存プロジェクトの中には、今後数十年に渡り10万km2の面積を掘削するものもあるが、環境NGOは今回の政府の決定を称賛している。別の環境団体Forest&Birdも、海洋原油採掘を禁止することでニュージーランド海域に生息または移動する世界の半数の鯨やイルカ類が、原油漏出や地質調査時の音の被害から免れると歓迎している。
一方で、野党側は政府の決断に否定的。野党側の主張によれば、ニュージーランドで新規事業を禁止すれば他の場所で同じだけの採掘と二酸化炭素排出が生じるだけであり、国内8,000人の雇用縮小や、25億ニュージーランドドルの産業にダメージを与えると非難している。
【参考ページ】New Zealand bans all new offshore oil exploration as part of 'carbon-neutral future'
【参考ページ】New Zealand bans all new permits for offshore oil and gas exploration
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