デンマーク最大の職業年金基金「デンマーク年金生活ファンド(PKA)」は4月12日、石油・ガス大手35社からのダイベストメントを決定した。パリ協定で定めた目標達成に向け、財務パフォーマンスと環境の双方の観点から石油・ガス大手62社の評価を行い、パリ協定と整合性のあるイニシアチブを取っていないと判断された35社を選抜した。その他、15社を「観察対象」に指定し、積極的株主行動(アクティブオーナーシップ)を通じてエンゲージメントを行う。残り12社は投資継続となった。
PKAは2017年、パリ協定や再生可能エネルギーへのシフトが2035年の石油業界にもたらす影響を分析したレポートを発表。石油需要は世界で23%減少し、今後15年に渡って石油価格は減少すると結論づけた。62社の評価実施は、このような大きな外部環境の変化に事業を適応させることができるかを判断するためのもの。
今回発表された35社には、国際石油開発帝石(Inpex)、米マラソン・オイル、米アナダルコ、米チェサピーク・エナジー、米アパッチ、ロシアのガスプロム、ロスネフチ、ルクオイル、中国石油化工(シノペック)が含まれている。
PKAはすでに、石炭関連企業70社からダイベストメントを実施済。今回の石油・ガスの次に目を向けるのは自動車業界。国際エネルギー機関(IEA)によると、パリ協定目標達成には2040年までに6億台の自動車が電気またはハイブリッド車が必要となる。しかし、現在は200万台にすぎず、自動車や商用車の二酸化炭素排出量は世界全体の排出量の16%を占める。PKAは業界との対話を進め、電気やハイブリッド車の開発に注力せず、結果財務リスクの高い企業を見極める考え。
【参照ページ】PKA ekskluderer 35 olieselskaber
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