米ESG投資分野アドボカシーNGOのCeresは4月10日、米電力企業向けの気候変動戦略アセスメントガイダンスを発表した。機関投資家から支持されるため、気候変動戦略の具体的な立案手法を解説している。同ガイダンス作成の資金はEnergy Foundationが拠出した。
米国では、機関投資家の間で気候変動への関心が年々高まっており、投資先の電力会社に具体的なアクションを求めるエンゲージメントを起こす事例も増えてきている。
今回のガイダンスでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインでも中核の概念となったシナリオ分析から具体的な事業戦略を構築するまでの手法をまとめた。シナリオ分析ではまず、将来を見通すための変動要素を収集することから始まる。今回のガイダンスでも、変動要素として、分析対象とする事業所、発電所、顧客エリア等の地理的範囲、マクロ経済推移、時間軸、対象資産等を取り上げ、それらをまず定めていくことから手順が始まる。
シナリオを立てた後には、2℃目標に向けた移行リスクと物理的リスクについて具体的に考察。仕上げとして、それらをリスクマネジメントを通じて回避したり、事業戦略として積極的に機会を創出しにいく流れとなる。
今回のガイダンスは総53ページの大作。電力会社だけでなく、他の企業でも参考になることは多い。
【参照ページ】Climate Strategy Assessments for the U.S. Electric Power Industry
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