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【アメリカ】フェイスブック、選挙や民主主義へのインパクトを独立機関が研究

 IT世界大手米フェイスブックは4月9日、同社が選挙や民主主義で果たす役割について独立した立場から調査を実施すると発表した。同調査イニシアチブは、ローラ・アンド・ジョン・アーノルド財団、Democracy Fund、ウィリアム&フローラ・ヒューレット財団、ジョン・S&ジェームズ・L・ナイト財団、Charles Koch Foundation、Omidyar Network、Alfred P. Sloan Foundationから資金提供を受ける。

 同イニシアチブは、まず大学教授らで構成する委員会を組成し、委員会が調査アジェンダを決定する。それに基づき、委員会で各分野の調査設計を行い、厳格に選出された専門家が資金提供とフェイスブックからデータ提供を受け調査を行う。フェイスブックは、調査結果の開示前にも内容の共有を受けず、調査の独立性を担保する。

 フェイスブックは、2016年の米大統領選やブレグジットだけでなく、フランス、ドイツ、イタリアなど諸外国の選挙でもフェイクニュースや情報操作と戦ってきた。しかし、最近の個人情報流出問題が示すようにその取組は決して十分でなく、ソーシャルメディアが選挙等の民主主義に与える影響を外部の視点で分析するのが今回の主旨。また今後、ブラジル、インド、メキシコ、米国の中間選挙島重要イベントも予定されており、ソーシャルメディアのインパクトを把握した上で、適切な商品設計や規約見直しにつなげたい考え。

 同調査イニシアチブを主導する委員の任期は1年。今後数週間で委員が選出されるが、人種、国籍、経験、専門分野、政治的立場島あらゆる面で多様な人選を行う。具体的な調査テーマの設定はこれからだが、不正情報、コンテンツの二極化、表現や組織組成の自由、国内選挙の外国からの干渉の保護、民衆とのエンゲージメントといった分野での調査が想定される。委員は、フェイスブックの社内施策と大学教授島からの情報提供を受けながら調査テーマを決定する。また、今後の各国の選挙におけるフェイスブックのインパクトについても、諸外国の専門家と協働して調査を進める。

 調査の独立性担保では、学会で通常採用される以上の厳しい基準でピア・レビューを実施。ピア・レビューのプロセスはSocial Science Research Council(社会科学研究会議)が主導し、その上で委員会が調査実施者を選出する。

 調査実施者は、フェイスブックからのデータ提供や新たな調査やフォーカスグループを通じて分析作業を進めることになる。今回のケンブリッジ・アナリティカ事件の例にあるように、個人情報が適切に利用され、プライバシーが保護されることはフェイスブックにとっても最重要事項。そのため、調査に関わる全ての提案書はInstitutional Review Board(治験審査委員会)や同等機関によってレビューされ、さらにデータ利用が求められる場合はフェイスブックのレビュー専門チーム、委員会によって指名された外部専門家によるレビューが追加で実施される。何層ものレビュープロセスを経ることで、データ利用が法的、倫理的に正しく行われるように担保する。

 フェイスブック自身も、同調査イニシアチブにあたって社内専門チームを発足。委員会や調査実施者とともに適切なデータセットを生成し、安全なサーバーに保管する。データは定期的な監査対象となり、委員会が責任をもって調査プロセス・内容を監督する。

 調査期間中全てのプロセスに関して透明性を持つことも重要であり、委員会がフェイスブックの活動も含めた進捗状況の報告の責任を持つ。具体的には、調査アジェンダや調査実施者選定の判断基準を公表し、フェイスブックの事前確認なしの対外結果報告を行う。

【参照ページ】Facebook Launches New Initiative to Help Scholars Assess Social Media’s Impact on Elections

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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