国際環境NGOのUnfriend Coalは3月15日、イタリア保険大手ゼネラリ保険に対し、石炭関連企業への保険提供を停止するよう嘆願する署名が9万人分集まったと発表した。ゼネラリ保険は欧州第三位の保険会社。署名活動は、複数の国で実施され、WeMove.EUには6万3千人、グリーンピース・イタリアで2万1,400人、ポーランドNGOのkcja Demokracjaで5,600人の署名が集まった。
欧州では、保険大手の石炭ダイベストメント(投融資引揚げ)と保険提供停止を表明する企業が相次いでいる。仏アクサは2017年12月、石炭、タールサンド、その他関連プロジェクトに対するダイベストメントと、石炭火力発電プロジェクトとオイルサンド事業への保険サービス停止を発表。チューリッヒ保険は2017年11月、仏スコール(SCOR)も2017年9月に同様に石炭ダイベストメントと保険サービス停止を発表している。
ゼネラリ保険も署名活動を受け、2018年2月、石炭関連プロジェクトから20億ユーロのダイベストメントと、同セクターへの新規投資停止を決めた。しかし、保険引受に関する方針はまだ設定していない。
Unfriend Coalは発表の中で、欧州では毎年、石炭による環境汚染で5,830人が亡くなっていると表明。ゼネラリ保険が本社を置くイタリアでも、430人が死亡しているという。Unfriend Coalはとりわけ、石炭産業が大きいポーランドでの保険提供を問題視しており、欧州規模第2位の石炭火力発電所コジェニツェ発電所、オポーレに建設中の石炭火力発電所、トゥルフの露天掘り炭鉱への保険提供停止を強く求めている。その他、全ての石炭発電所、炭鉱、関連インフラプロジェクトへの新規投資の停止、石炭割合が30%以上、または10GW以上の石炭発電設備容量を持つ発電所への投資・保険提供停止、石炭関連事業売上が売上の3割以上または2,000万t以上の石炭生産企業への投資・保険引受停止を要求している。
【参照ページ】90,000 people call on Generali to end support for coal ahead of annual results
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