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【アメリカ】ブラックロック、民間用銃器大手へのエンゲージメント強化。除外ファンド設定検討も表明

 資産運用世界最大手米ブラックロックは3月2日、米フロリダ州で起きた高校乱射事件を受け、民間用銃器製造・販売企業への投資に対する考え方を発表した。同業界を除外したインデックスファンドの設定検討や、責任ある事業を求めるエンゲージメント強化開始を明らかにした。

 民間用銃器製造・販売企業の多くは非上場だが、上場している企業も複数ある。上場民間用銃器企業は「American Outdoor Brands」「Vista Outdoor」「スターム・ルガー」の3社。また、銃器販売を行っている上場企業もある。

 ブラックロックは今回、これら3社に直接投資していないことを表明。一方、ブラックロックが運用しているインデックスファンドでは、運用資産総額1.6兆米ドルに占める3社の構成割合が0.01%あることも明かした。ブラックロックは、株式インデックスはインデックス開発会社が管理しているため直接的な決定権はなく、顧客が同インデックスを選択する限りブラックロックとして保有株を売却することはできないとしつつも、2つのアプローチを検討しているとした。

 アプローチの一つは、民間用銃器メーカーを除外するインデックスファンドの設定。ブラックロックの顧客であるアセットオーナーや個人投資家の中には、民間用銃器に対し否定的な見解を持つ人々がいるという。ブラックロックはすでに武器メーカーを含めた複数業界を除外した社会的責任ETFを設定しているが、今後新たな選択肢として、民間用武器製造・小売業者だけを除外するインデックスファンドの開発を検討していく。具体的に除外すべき銘柄等は今後アセットオーナー等との議論を深める。

 もう一つのアプローチは、株式を保有する企業としての3社に対するエンゲージメントの強化。ブラックロックは、投資先企業に対し積極的にエンゲージメントする姿勢を明確にており、同社ラリー・フィンクCEOは今年に入ってから投資先企業のCEOに対し書簡を送付。持続可能で長期的な企業成長に向け働きかけると伝えている。ブラックロックは今回、民間用銃器製造・小売企業には責任ある事業方針や事業運営の策定が肝要だと言及。すでに複数社に対しエンゲージメントを開始していることを明らかにした。加えて、今後、株主総会での議決権行使で影響力を行使する可能性も示唆した。

 ブラックロックは、深いエンゲージメントを行うためにはエンゲージメント内容は非公開にするとしつつも、民間用銃器製造企業と販売企業の双方に対し要望している基本的な内容については公表。レピュテーションや財務、訴訟リスクに対するアセスメントや、コンプライアンス体制、不適切使用を未然に防止するための戦略等が含まれている。今回の発表によると、小売企業では、Dick’s Sporting Goodsは、殺傷力の高いライフル(Assault-style rifle)の販売禁止と21歳未満への銃器販売を禁止を決定。ウォルマートとクローガーは21歳未満への銃と銃弾の販売を禁止したという。

 ブラックロックは今後もエンゲージメントを継続。関連企業に対してはエンゲージメントに積極的に応じるよう要請した。

【参照ページ】BlackRock's Approach to Companies that Manufacture and Distribute Civilian Firearms

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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