金融インデックス開発世界大手米MSCIは2月1日、同社のESGインデックスの改善方向性を発表した。同社は昨年、市場関係者から意見募集を実施しており、その声を反映させた内容となっている。
改善内容は、
- 問題性のある兵器に関する銘柄除外基準の変更(市場関係者の80%以上が賛成)
- MSCI ESG LeadersインデックスからESGスコアのバッファーを撤廃(市場関係者の90%以上が賛成)
- MSCI SRIインデックスに価値軸の除外条件を設定(市場関係者の90%以上が賛成)
- MSCI ESG LeadersインデックスとMSCI SRIインデックスの双方に、同スコアの銘柄に対しトレンド(増減)情報でランク付けする手法を導入(市場関係者の80%以上が賛成)
一方、以下の変更案は市場関係者の賛成が少なく、導入が見送られた。
- MSCI ESGインデックスで、ESG関連のスコアが著しく低い銘柄(Worst Offenders)を除外
- MSCI ESG Leadersインデックスにバリュー軸の除外条件を設定
Worst Offenders基準については、最低基準を適用することでMSCI Low Carbonインデックスや、MSCI Ex Fossil Fuelsインデックスといった他のインデックスの趣旨と反する恐れがあることが懸念された。また、Worst Offendersの定義でも、たばこや石炭等の産業を含めるかどうかでも共通見解が得られなかった。
MSCI ESG Leadersインデックスでのバリュー軸除外条件については、考慮すべき価値内容についての共通見解が得られなかった。そのため、現行の除外条件の価値に設定されているアルコール、ギャンブル、たばこ、武器、民間人用銃器、核兵器、アダルト商品、遺伝子組み換え商品のまま継続することとなった。しかし、たばこ産業に関しては、賛同する市場関係者が比較的多く、今後検討の含みを持たせた。
【参照ページ】MSCI Announces Conclusions of Consultation on Potential Enhancements to MSCI ESG IndexesMSCI
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