インドのニティン・ガッカーリ道路交通相は2月15日、記者会見の中で、2030年までに全ての自動車を電気自動車(EV)に移行する政策の導入を撤回すると発表した。ガッカーリ大臣は昨年、2030年までにガソリン車およびディーゼル車の国内販売を禁止し、インドで販売される自動車を電気自動車のみに制限するとの政策方針を公表。連立内閣内で審議中だったが、政策導入を断念した。
電気自動車への完全移行方針は自動車業界に大きな波紋を呼んだ。現地報道によると、トヨタ自動車の現地製造子会社も懸念を表明。その他、同政策の撤回を求めるロビー活動を展開したところもあったという。政府関係者からも匿名で「EV政策パッケージの導入は巨額の投資が必要な上、金庫は空っぽ。現実的ではない。電気自動車構想は、市場やメーカー、消費者次第だ」と否定的な見方も出ていた。
ガッカーリ大臣は、今回の発表について、「今必要なのはアクションプラン」「政策は必要ではない」として、公式の政策にはしない考えを示した。また、「新たな技術が日々市場に登場している。技術はいつも法規制の先を行く。インドでは法規制を変えるのは非常に困難だ。だからアクションとして進めよう」と述べた。
100%電気自動車という制約がなくなったことで、今後自動車は各社にとっては進むべきオプションが開かれた形。インド自動車最大手マルチスズキのBhargava会長は、技術を選ぶ柔軟性を得たとコメント。一方、インド電気自動車最大手マヒンドラ・エレクトリック・モビリティのMahesh Babu CEOは、電気自動車業界には継続的な政府支援が必要だと述べている。
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