環境省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、気象庁は2月16日、日本を対象とした気候変動の観測・予測・影響評価に関する知見を取りまとめたレポート「気候変動の観測・予測・影響評価に関する統合レポート2018~日本の気候変動とその影響~」を公表した。文部科学省、気象庁、環境省は2009年から同様のレポートを4、5年毎に公表しており、今回のものは最新の動向や知見を踏まえたものとなっており、今回から農林水産省と国土交通省も加わった。エネルギー政策や産業政策を所管する経済産業省、金融マクロプルーデンス政策を所管する金融庁は加わっていない。
同レポートは、気温、降水量、積雪、海水温、海面水位、海氷、海洋酸性化、台風等の自然環境観測データから気候変動の現在の状況と将来予測を整理し、農林水産業、水資源、生態系、自然災害、健康等に及ぼしうる影響について報告している。
将来予測では、「日本では世界より速いペースで気温が上昇している」と言及。真夏日・猛暑日の日数の増加が見られるとともに、多くの地域で積雪が減少する一方、内陸部では大雪が増加する可能性も指摘した。また、強い雨が増加している一方、降水日が減少しているという。日本の21世紀末の年平均気温は全国的に上昇することが予測され、低くても0.5℃から1.7℃、高いと3.4℃から5.4℃上昇する見込み。
影響面では、すでに、コメ、果実、椎茸の栽培に悪影響が出てきている。漁業でも、サンマのピークの遅れや体重の減少が予測されている。森林の植生の変化も予測され、藻場の衰退や消失の恐れもある。生態系の変化は、様々な連鎖により、どのような変化が起こるかが見通せない怖さがある。雨量や雪量の変化も見られ、河川水系にも影響が出る可能性がある。豪雨による土砂災害や水害が多発する可能性もある。
【参照ページ】「気候変動の観測・予測・影響評価に関する統合レポート2018~日本の気候変動とその影響~」の公表について
【レポート】気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018
【パンフレット】気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 パンフレット
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